関節リウマチとは
関節を主病変とし、全身の支持組織を多発性におかす慢性の炎症性疾患である。進行すると、関節の破壊と変形が生じる。
関節リウマチの疫学
好発年齢は20~50代で、男女比は1:4である。
関節リウマチの成因・病態生理
マイコプラズマやウイルスなどの微生物感染が原因とも考えられるが、原因は不明。
関節リウマチの症状
①関節症状:関節に炎症が生じる。初期には朝に関節がこわばるのが特徴で、やがて関節痛、腫脹が起こり、さらに関節の破壊、変形、強直へと進む。
②関節外症状:皮下結節、間質性肺炎、肺線維症、胸膜炎、血管炎、強膜炎、虹彩毛様体炎、心膜炎、心筋炎などの症状が出る。
③合併症:続発性アミロイドーシスによる腎障害、心障害などが起きることがある。シェーグレン症候群などとの合併もある。
関節リウマチの一般治療
老化を避け、十分な栄養をとり、全身状態を良くする。罹患部の保温に努め、加重負荷を少なくする。関節の屈伸運動をして可動範囲を保つ。薬物療法としては、非ステロイド系抗炎症薬、金製剤、副腎皮質ステロイド薬、免疫制約などを使用する。関節の破壊、変形が強く、関節機能が著しく損なわれたときには手術し、人工関節に置換する。
関節リウマチの予後
完全寛解する例は少なく、多くは病変が進行性である。関節外症状として血管炎などのみられる症状では予後が不良である。
関節リウマチの診断基準
朝のこわばり1時間以上(6週間以上続く)
3関節領域以上の腫脹(6週間以上続く)
手首、中手指節、近位指節間関節の腫脹(6週間以上続く)
対称性関節腫脹
手、指のX線写真像の変化
皮下結節
リウマトイド因子
上記7項目のうち4項目以上あれば関節リウマチと診断する。