肺ガンとは
肺ガン疫学
男性第1位、女性第3位(2006)。
肺ガンの成因・病態生理
・肺ガンは気管支上皮から発生するガンであり、大細胞ガン、小細胞ガン、扁平上皮ガン、腺ガンの4つのタイプに分類される。
・扁平上皮癌と腺癌が多く、最近は腺癌の増加傾向がみられる。
・喫煙による発ガンリスクは扁平上皮ガンと小細胞ガンで高く、腺癌と大細胞ガンで低い。
・病気の進行度を示す分類は腫瘍の大きさ、リンパ節の広がり、遠隔転移の有無で示す。
肺ガンの症状
咳、痰、血痰、胸痛、発熱の順。肺ガンに特徴的な症状ではないが、これらの症状が持続する場合は肺ガンの可能性も考える必要がある。
局所症状:胸水(癌性胸膜炎)、胸痛、呼吸困難や閉塞性肺炎、嗄声、上大静脈症候群(静脈うっ滞によるむくみ、顔面浮腫)、ホルネル症候群(眼裂狭小、眼球陥凹、無汗症、縮瞳)
全身症状:発熱、倦怠感、体重減少などがみられる。ばち状指も肺ガンを疑う所見。
転移性症状:脳、骨、肝臓、リンパ節、副腎、皮膚などさまざまな臓器に転移を認め、転移先臓器の機能障害をもたらす。脳移転によるめまい、麻痺、意識レベルの低下や骨転移による疼痛、病的な骨折が代表的な転位症である。
随伴症状:まれに筋力低下、高カルシウム血症、低ナトリウム血症などを認める場合がある。これらは腫瘍が直接浸潤するためではなく、腫瘍によるホルモン産生もしくは自己免疫機序による神経細胞の障害が原因と考えられている。
肺ガンの一般治療
早期肺ガン(Ⅰ期)のみが手術適応となる。化学療法、外科的治療などを行う。
肺ガンの予後
平均生存率期間は小細胞ガンの限局型で約2年、進展型で約1年である。非小細胞ガンのⅢ期では約15か月、Ⅳ期で約8か月であり、いずれも短いのが現状である。