高齢者の疾病の主な特徴
- 多病理の同時存在、多臓器疾患
- 非定型的症候
- 難治性、慢性、退行性病変が多い。
- 医原性疾患が少なくない。薬の副作用や手術時の新たな損傷などによる疾患が起こりやすい。
予後が医療、社会的環境で変化する。交通や通信、経済、家族環境などの違いにより受診の機会や診療内容に差が生じ、予後に相違が生じやすい。
老化によって出現する症状
運動器の機能低下:運動障害および疼痛、ADL(日常生活動作)障害が起こり歩行障害、転倒や骨折、寝たきり
腰痛19.2%、関節痛13.2%、手足の動きが悪い8.8%、肩こり12.6%
循環器の機能低下:動悸4.1%、息切れ4.9%、
呼吸器の機能低下:咳・痰4.1%、呼吸困難
消化器の機能低下:胃もたれ・胸やけ4.9%、食欲不振1.9%、便秘8.8%
泌尿器の機能低下:頻尿7.7%、失禁3.8%、排尿困難2.6%、排尿痛
感覚器の機能低下:目のかすみ10.5%、物がみづらい7.8%、難聴9.5%、耳鳴り6.6%、臭いがわからない、味がわからない
生殖器の機能低下:生殖能力の低下、精力減退
免疫力の低下:抵抗力、予備力の低下
精神機能の低下:知能の低下・障害(認知症)、情緒の低下・障害(うつ病)
要介護状態の原因
- 脳血管障害24.1%
- 認知症20.5%
- 高齢による衰弱13.1%
- 骨折・転倒9.3%
- 関節疾患(リウマチ)7.4%
- パーキンソン病3.6%
- 心臓病3.2%
- 糖尿病2.8%
- 呼吸器疾患2.5%
- ガン2.2%
- 視覚・聴覚障害1.9%
- 脊髄損傷1.7%
- その他7.5%
要支援状態の原因
- 関節疾患(リウマチ)19・4%
- 高齢による衰弱15.2%
- 脳血管障害15.2%
- 骨折・転倒12.7%
- 心臓病6.1%
- 認知症3.7%
- 呼吸器疾患3.5%
- 糖尿病3.5%
- 視覚・聴覚障害2.5%
- パーキンソン病2.4%
- ガン2.3%
- 脊髄損傷1.9%
- その他11.7%
高齢者に見られやすい疾患
認知症、パーキンソン病、脳血管障害(脳出血、脳梗塞、脳塞栓)、白内障、緑内障、難聴、耳鳴り、甲状腺機能低下症、高血圧、閉塞性動脈硬化症、陳旧性心筋梗塞、僧帽弁閉鎖不全症、うっ血性心不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、、慢性気管支炎、気管支喘息、気管支炎、糖尿病、腎不全、前立腺肥大、慢性便秘、骨粗しょう症、変形性脊椎症、変形性関節症、後縦靭帯骨化症、悪性腫瘍(ガン)などがある。
高齢者の問題点としての疾患
認知症、転倒、失禁、移動不能、医原病、精神疾患、うつ病、せん妄、妄想などがある