公衆衛生とは
公衆衛生の定義は「国や地方公共団体あるいは組織化された社会の責任において、人々の生命と健康をおびやかす社会的、医学的原因を取り除き、人々が長生きする方法を考え、さらに精神的身体的能率の向上を図る学問および技術である」
食品衛生とは
私たちの生活に不可欠なものは、「衣食住」ですが、特に「食」すなわち食品は大切です。食は身体をつくり、活動の源になっています。食あっての人間の生命、健康維持がなされています。
しかし大切な食品も一歩間違えれば、食中毒や経口感染症の原因になり、私たちの健康を害し、命を奪うこともあります。食品に細菌が付着していると細菌が食品中で増殖し、毒素を生産し、また、増殖した細菌により食中毒を起こしたりします。
食品による人の病気の原因はいろいろありますが、これらの事故防止には、食品に関する多くの知識を得て、食品を介する病気をなくし、安心して食生活を送れるようにするのが、食品衛生です。
感染症の種類
1類感染症
エボラ出血熱、クリミアコンゴ出血熱、痘そう、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、南米出血熱
2類感染症
急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARSコロナウイルス)、鳥インフルエンザ(H5N1)
3類感染症
腸管出血性大腸菌、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス
4類感染症
E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽、鳥インフルエンザ(H5H1以外)、ボツリヌス症、マラリア、野兎病、オウム病、ツツガムシ病、日本脳炎、レジオネラ症、その他
5類感染症
インフルエンザ(鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ十等感染症を除く)、ウイルス性肝炎(E型肝炎・A型肝炎を除く)、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、性器クラミジア感染症、梅毒、麻しん、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、アメーバ赤痢、感染性胃腸炎、その他
新型インフルエンザ等感染症
新型インフルエンザ(新たに人から人へ伝染する能力を有するウイルス病原体とするインフルエンザ)、再興型インフルエンザ
*下線のものは経口感染症となります。
経口感染症の症状
細菌性赤痢
発生状況:東南アジアからの帰国者に多い。インド、ネパール、パキスタン、タイ、インドネシアの帰国者の発症例の60~70%を占める。
症状:血便に由来した病名。38℃~39℃の発熱があり、1日10回程度の下痢があり解熱する。赤痢の危険性はその症状よりも感染力の強さにあり、人から人への感染による集団赤痢がみられる。感染して1~5日間で発病する。
コレラ
発生状況:インド、インドネシア、タイなどの東南アジアからの帰国者に多く見られる。
症状:発熱がなく、1日20回程度の水様便(米のとぎ汁様の下痢)、嘔吐、脱水などを症状とする消化器感染症です。輸入食品から魚介類などの摂取により感染した例もある。感染して1~5日間で発病します。
腸チフス・パラチフス
発生状況:近年の発症者の過半数は東南アジアからの帰国者です。
症状:高熱、バラ疹、下痢などを症状とする感染症です。重傷者は腸出血、腸穿孔を起こす。腸チフスはチフス菌が原因菌です。パラチフスはパラチフスA菌が原因菌です。感染して約2週間で発症します。
腸管出血性大腸菌感染症
症状:ほとんどが国内感染です。
発生状況:無症状から軽い腹痛や下痢症を伴う重症例は頻回の下痢、激しい腹痛、血便、さらに重症例は尿毒症・脳炎で死に至るものまで様々です。感染してから3~5日くらいで発病します。
A型肝炎
症状:海外での感染が多いが輸入魚介類の生食による感染と推測される。
発生状況:強い全身倦怠感、黄疸。感染してから15~50日(平均4週間)で発症します。
E型肝炎
症状:海外での感染が多いが、国内でも生及び加熱不足の豚肉、イノシシ肉、鹿肉の摂取による症例が報告あり。
発生状況:悪心、食欲不振、腹痛などを伴う消化器症状を呈する。黄疸、妊婦が感染すると劇症肝炎で重症となることが多い。感染してから15~50日(平均6週間)で発症する。
食中毒とは
食中毒とは飲食物などに含まれていた微生物、科学的物質、自然毒等を食品とともに摂取することにより発生する健康障害をいう。また、人から人へ感染するコレラ、赤痢などの感染症であっても、飲食に起因して健康障害が発生すれば食中毒と扱います。食中毒の主な症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱などを主要症状とする急性胃腸炎です。
細菌性食中毒
カンピロバクター
性質
- 発育温度は30℃~40℃である。
- 冷蔵・冷凍で長く生存する。
- 乾燥、加熱に弱い。
- 潜伏時間は2~7日(平均2~3日)
- 他の菌より少ない菌量で発症する。
- 人、鶏、犬、豚、牛などにも高率でみられ、特に犬では極めて高率に下痢に関与するといわれている。
原因
サルモネラ属菌に類似すると思われる。アメリカでは水や牛乳による集団事例が多い。鶏肉の汚染率が高い。
主な症状
下痢、発熱(38℃以下)、腹痛、頭痛、倦怠感、風邪と似た症状がでる、悪心
予防対策
- 食肉類の生食は避ける。
- 十分な加熱調理。
- 生肉を使った器具の洗浄殺菌。
- ペットに触れた後は手指の洗浄と殺菌。
- 生肉用の箸と食事用の箸を使い分ける。
サルモネラ菌
古くから知られているが、わが国では比較的発生が少なかった。食糧、飼料の輸入量が多くなるにつれて増加傾向。最近では卵の汚染が注目されている。年間を通じて発生
性質
- 加熱に弱い
- 潜伏時間は8~48時間
- 哺乳類、鳥類、両生類、多くの動物に広く分布(特に糞)
- 感染に強い
- 長期間排菌
原因
十分な加熱処理をしていない食品、食肉(豚肉、鶏肉)および卵の汚染率が高い。
主な症状
悪寒、発熱、腹痛、嘔吐、下痢
予防対策
- 肉食類の生食は避ける
- 食肉類、卵などの低温管理
- 十分な加熱調理
- 器具の洗浄消毒
- ネズミ、昆虫の駆除をする
黄色ブドウ球菌
この菌による食中毒は毒素型であり、ぶどう球菌が食品中で増える時に産生したエンテロトキシンという毒素を食品と一緒に食べることにより発症する。年間を通じて発生しているが夏季に多い。
性質
- エンテロトキシンは加熱に強く
- 通常の調理法では破壊されない。(100℃30分を耐える)
- 潜伏時間は1~6時間(2~3時間がほとんど)
- 人の口、鼻、咽頭の粘膜、皮膚に常在し、化膿巣、咽頭炎などの時は菌巣となる。
原因
弁当、おにぎり、柏餅などの殻類およびその加工品。シュークリーム、生クリームを使用した菓子。
主な症状
嘔気、嘔吐が激しいのが特徴、腹痛、下痢
予防対策
- 手指にキズのある人は調理をしない
- 手指は十分に手を洗い常に清潔にする。
- 衛生的な器具を利用する
- 飲食物の冷蔵(5℃以下)
- 調理後早く食べる
腸炎ビブリオ
主に海産性の食品を摂取することによっておこる食中毒で、海水温の高い8月、9月を中心に多発する。
性質
- 塩分濃度2.5%~3.0%(海水と同じ)でよく増殖する。
- 増殖が速い。真水や酸に弱い。加熱に弱い。
- 潜伏時間は6~32時間。
- 沿岸、近海、河口付近に分布、凍結状態でも長く生存する。
原因
生鮮魚介類が主で、漬物やサラダ類、弁当など多種にわたる。
主な症状
腹痛(胃部・上腹部の激痛で胃けいれん様)、下痢(水様便、粘血便)、発熱(37~38℃、39℃以上はない)、嘔気または嘔吐
予防対策
- 魚を飼ってきたら水道水でよく洗い、冷蔵庫に入れる時は、他の食品を汚染しないようにする。
- 夏場は魚の生食を避け、酢の物、煮もの、焼き魚として食べる。
- 長時間放置せず、4度以下で保存する
ボツリヌス菌
ボツリヌス菌は細菌性食中毒の中で死亡率が高く最も恐ろしい。発生件数は多くはないが早期に治療されないと死亡率は50%に達する。産生毒素によりA~G型に分類される。日本ではE型が多い。
性質
- 嫌気性(酸素のない状態)の環境で勢いよく増殖し、毒素を産生する。
- ボツリヌス菌の芽胞は熱に強く120℃で4分間加熱しないと死なない。
- 潜伏時間は8~36時間
- 本来は土壌菌であるが、水、ほこり、動物の排泄物中に分布
原因
缶詰、ビン詰(魚、獣肉、野菜、果実)、いずし、ハム、ソーセージ、はちみつ
主な症状
胃腸症状につづいて神経症状、悪心、眼症状(眼瞼下垂、視力低下、瞳孔散大)、嘔吐、咽喉頭麻痺(嚥下困難、発声困難)、腹痛、呼吸障害、下痢、発熱はない
予防対策
- 野菜は十分に洗う
- 1歳未満の乳児にはちみつを与えないようにする
- 缶詰、びん詰めは外観の変形等の異常に注意する
病原大腸菌
大腸菌による食中毒である。年間を通じて発生
性質
- 潜伏時間は12~72時間(腸管出血性大腸菌は10~14時間ぐらい)
- 下痢症患者、家畜、ペット動物、健康人、自然環境まで広く分布している
- 腸管出血性大腸菌は3類感染症に類別されている。
原因
食肉などの汚染率が高い。井戸水
主な症状
下痢、発熱、腹痛、頭痛
予防対策
- 食肉の生食をさけ、加熱を十分行う
- 手洗いを十分に行う
- 使用水の衛生管理
- 食品の低温管理および食肉などの取り扱いに注意する
ウエルシュ菌
ウエルシュ菌は自然界に広く分布する芽胞形成細菌で芽胞を形成する過程で産生されるエンテロトキシンにより発生する。年間を通じて発生
性質
- 発育温度は20~50℃で、至適発育温度は43~46℃である。
- ウエルシュ菌の芽胞は熱に強く100℃、1~4時間の加熱でも死なない。
- 酸素のない嫌気状態で増殖す
- 潜伏時間は8~22時間(通常は12時間前後)
- 人や動物の腸管内、土壌、下水などに広く分布
原因
動物性たん白食品、特に加熱調理後数時間から一夜放置されたものに多い。冷やし中華、カレーなどからも発生。
主な症状
下痢、(水様性、粘血便、1日くらいで正常に戻ることが多い)、腹痛(嘔吐、発熱は少ない)
予防対策
- 加熱調理後、すぐ食べる
- びん等の密閉ようきは嫌気状態を作りやすいので注意する
- 加熱後冷却するときは、速やかに冷却する。
セレウス菌
下痢型と嘔吐型に分けられる。
性質
- 下痢型の場合はコレラエンテロトキシンに似た作用を有する下痢毒素を産生するといわれている。この毒素は人の腸管内で菌が繁殖した際につくられる。
- 下痢毒素は56℃、5分の加熱で失活する。
- 嘔吐型の場合は嘔吐毒を芽胞形成期に産生するといわれている。嘔吐毒は126℃、90分の加熱に耐える。
- 潜伏時間は下痢の場合は8~16時間、嘔吐型の場合は1~6時間
- 土壌、水、植物表面等自然界に広く分布する
原因
下痢型で多く見られるものは食肉製品、スープ、ソース
嘔吐型で多く見られるものは米飯類(炒飯、ピラフ)、麺類(スパゲッティ、焼きそば)
主な症状
下痢型
- 下痢(頻発)
- 腹痛
嘔吐型
- 嘔吐(頻発で激しい)
予防対策
- 低温で保存する
- 調理後すぐ食べる(2時間以上放置しない)
ウイルス性食中毒
ノロウイルス
嘔吐下痢を起こす。食品を介さず集団的に発生することもある。年間を通じて発生
性質
- 加熱に弱い。
- 人の小腸でしか増殖できない。
- 少ないウイルス量で発症する。
- 潜伏時間は24~48時間。
- カキなどの二枚貝が海中のウイルスを濃縮、蓄積すると考えられる。
- 消毒用アルコールや逆性石鹸は効きにくい。
- 塩素系消毒薬は消毒効果がある。
- ノロウイルスに感染した人を介して発症する。
原因
調理済み食品、二枚貝(かき、アサリなど)、水
主な症状
激しい嘔吐、下痢、腹痛、発熱37℃~38℃
予防対策
- 十分な加熱調理(85℃で1分以上)
- 使用水の衛生管理
- 使用器具類などの次亜塩素酸ナトリウムによる消毒に努める。
自然毒食中毒
自然毒には有害物質を含む動植物を知らずに、または間違えて食べたり、除去処理が不十分なものを食することにより発生します。動物性と植物性に分けられます。
植物性自然毒
日本の植物性自然毒の食中毒の大半は毒キノコです。毒キノコと食用キノコ判別は、素人では難しく、長年キノコを食べている人でも誤って食中毒を起こすことがあります。
毒キノコの中毒は、毒成分であるムスカリン、アマニトキシンなどによって胃腸型と脳症型に分けられます。
キノコの種類
ドクツルタケ、シロタマゴテンタケ、フクロツルタケ、タマシロオニタケ、ニセクロタケ、シャグマアミガサタケ
- 毒の作用:細胞を破壊し、腎臓に障害を与える
- 発症時間:食後6時間以上、通常10時間
- 症状:食後10~20時間して急激に腹痛を伴う下痢、嘔吐が長時間続き、致命的
ヒトヨタケ、ホテイシメジ
- 毒の作用:主に自律神経に作用
- 発症時間:食後20分~2時間
- 症状:酒を飲んで食べると、激しい頭痛、呼吸困難、吐き気などの悪酔い状態になる
オオキヌハダトマヤタケ等のアセタケ類、カヤタケ類の一部
- 毒の作用:主に自律神経に作用
- 発症時間:食後15~30分
- 症状:よだれ、や多量の発汗、嘔吐、下痢、視力障害、不整脈、血圧低下
テングタケ
- 毒の作用:主に中枢神経に作用
- 発症時間15~30分
- 症状:神経錯乱、幻覚、視力障害、興奮状態
ヒカゲシビレタケ、オオワライタケ
- 毒の作用:主に中枢神経に作用
- 発症時間:食後15~30分
- 症状:症状は人により異なるが、手足、舌のしびれ、幻覚症状
クサウラベニタケ、ツキヨタケ、カキシメジ、ニガクリタケ、オオシロカラカサタケ、ハナホウキタケ
- 毒の作用:胃腸障害を起こす
- 発症時間:食後30分~3時間
- 症状:腹痛、下痢、嘔吐
カエンタケ
- 毒の作用:その他
- 発症時間:食後15~30分
- 症状:嘔吐、下痢、手足のしびれ、運動障害、意識障害、脳障害
その他の有害植物
ジャガイモ:芽に含まれるソラニンにより、腹痛、嘔吐、頭痛、めまい、倦怠感、意識障害
青酸含有植物:未熟な梅の実や未熟なギンナンにアミグダリンが含まれ、分解し青酸を生じる。嘔吐、けいれん
毒ゼリ:セリに似ており、誤食されることがある。チクトキシンが含まれ、胃痛、嘔吐、めまい、けいれん
カビ毒:人間に有用なカビもありますが、有害な毒素を産生することがあります。この毒素をマイコトキシンと言います。
アフラトキシン:熱帯および亜熱帯に生息アスペルギルスフラバス等が賛成する毒素で、輸入ピーナツ、ピスタチオから検出される。強い急性毒性(脳・肝臓に強い変性作用)と慢性毒性(強い発がん性)を有する。
デキシニバレノール:麦類、トウモロコシにつくフザリウム(赤カビ)が産生する毒素で、悪心、嘔吐、下痢の消化器症状を呈する。
その他の誤食されやすい有害植物
ドクウツギ
有害成分:コリアミルチン
症状:嘔吐、けいれん→死亡
誤食例:実を桑の実と誤る
シキミ
有害成分:シキミン、ハナノミン
症状:嘔吐、けいれん→死亡
誤食例:実を大茴香(中華の香辛料)と誤る
彼岸花
有害成分:リコリン
症状:嘔吐
誤食例:りん茎(根塊)からでんぷんを採取することがあるが、処理が悪いと有毒成分が混入する
トウゴマ(ヒマ)
有害成分:リシノール酸、リシチン、リチン
症状:激しい下痢、嘔吐
誤食例:ひしま油の原料
ハシリドコロ
有害成分:ヒヨスチアミン、アトロピン
症状:興奮、狂騒状態→呼吸停止
誤食例:芽をフキノトウと誤る
チョウセンアサガオ
有害成分:ヒヨスチアミン、アトロピン、スコポラミン
症状:興奮、狂騒状態→呼吸停止
誤食例:根をゴボウと誤る
トリカブト
有害成分:アコニチン、アコニット
症状:胃痛、嘔吐→死亡
誤食例:セリ、ニリンソウ、ヨモギと誤る
ヨウシュヤマゴボウ
有害成分:フィトラカトキシン
症状:嘔吐、下痢
誤食例:山ごぼうの味噌漬けの材料として誤る
動物性自然毒
動物性自然毒は、すべてが魚介類に由来し、その中でもフグの毒による食中毒が多い。
フグの毒
フグの毒はテントロドトキシンといい、神経系に協力に作用する。青酸カリの約1000倍ともいわ自然界では最強です。今でも解毒剤は発見されていません。
- 食後20~3時間、おおくは1時間以内に発生
- 口唇、舌端、指先のしびれ
- 頭痛、腰痛、歩行困難、激しい嘔吐
- 運動麻痺、知覚麻痺、言語障害
- 呼吸困難、血圧低下、チアノーゼ、意識不明
- 呼吸麻痺で死に至る
- 死亡率は40~80%と高いが8時間を過ぎれば回復の見込みがある。中毒が発生したときは、早く病院で適切な処置(人口呼吸装置等の装備)を行う。
二枚貝の毒
ホタテガイ、アサガラガイ、ムラサキガイ、アサリ等の二枚貝の中腸腺に餌としているプランクトンの毒が蓄積され、毒化した貝類を摂食することにより発症する。
麻痺性貝毒
急性神経毒のため、食後30分くらいで発症。口唇、舌、顔面のしびれ感が現れ、その後四肢の麻痺、言語障害、頭痛、嘔吐とフグ中毒と同様な症状が出る。有害成分としてはサキシトキシン、ゴニオトキシンがある。
下痢性貝毒
下痢、嘔気、嘔吐、腹痛が主症状で、比較的軽症です。オカダ酸の脂溶性毒がある。
巻き貝類の毒
ヒメエゾラボラ、エゾボラモドキの巻貝は魚介類を捕食するために唾液腺に神経毒であるテトラミンを産生するといわれておりボウシュウボラの巻貝は好んで食べる有毒ヒトデの捕食により、毒成分を体内に蓄積しるといわれている。
シガテラ毒
南方のバラフエダイ、サザナミハギ、ドクカマスを食べることにより発症する。症状は嘔気、麻痺、関節痛、倦怠感、温度感覚の異常等で、死亡率は低いが回復に1年以上かかる場合もある。
アブラソコムツ、バラムツ
魚肉にワックス分を多量に含むため、食べると下痢を起こす。現在では食用禁止になっている。
食中毒予防の三原則
対策としては食品に細菌をつけないこと。細菌が付着しても増殖しないようにする。または、細菌をやっける。細菌をつけない。細菌を増やさない。細菌をやっける。この3つを完全に実施することが安全を確保する条件です。
清潔
基本は手洗いです。
迅速・冷却
調理された食品を早くたべることが重要です。
加熱
食品の中心まで熱が通ることが大切です。