望診とは病人の顔色や形態の変化を見て、観察し、疾病の性質や予後を判定する法診である。病人の顔色、つや、表情、目つき、姿勢、動作などから察知します。
皮膚の色、つやがいいという事は、気血が充実し、治療効果もよく、予後も良い。皮膚の色、つやが悪ければ、気血が不十分で、治療も長引き、場合によっては治らない。
色を診る(五色)
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五色 | 青 | 赤 | 黄 | 白 | 黒 |
疾病の変化が病人の色沢に現れるといっても、その色は病人にとってそれぞれ異なる。皮膚の色(顔色)が五色に現れる。五行論にもとづき判断する。
形体を見る
五臓の大小や六腑の大小、長短、厚薄、緩急によって、起こりやすい病状とその見分け方がある。外観に出来る身体の諸器官の形態に異常があれば、それと関連する臓器に異常があると考える。
五主は、通常機能面から診断するが、望診でも骨の太細、大小で腎の盛衰が診れる、皮膚の粗、理、厚、薄は、肺は性情に関連していると判断する。
五官も、一般的には機能面から診るが、その形状により関連する臓の機能状態を診ることができる。
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五主 | 筋 | 血脈 | 肌肉 | 皮毛 | 骨 |
五官 | 眼 | 舌 | 口唇 | 鼻 | 耳 |
動態を診る
病人の姿勢や動作が普通でなければ、どこかが病んでいると診る。また、人体の気血の盛衰と肉体の堅脆が相応しているかによって、病んでいるかどうかを診る。
皮膚の色の変化を診る
皮膚の色が、五色の一つに偏って現れている時は、その色と関係する臓が病んでいると診る。また、顔、病所、尺膚などの皮膚の色などの色が、五色のうちのどれかに偏るかによって病状を判定する。
色変 | 青 | 黒 | 黄赤 | 白 |
病状 | 痛み | 痺れ | 熱 | 寒 |
経脈流注上の変化を診る
皮膚を注意深く診れば、特定の経脈流注領域に変化が表れていいることが分かる。シミ、ソバカス、イボなどは、経穴の変化の一形態と見ることもできる。また、皮膚の粗理、肌肉の栄養不良などが部分的に現れることがあり、これらは経脈の営衛の虚実と診る。
顔面の部分診
東洋医学では顔面の各部に五臓の盛衰が反映されると考えられています。顔面の各部に五臓を配当し、その部分に現れた色変などによりどの臓腑。器官に病変があるかを診断する。
肝の熱病は、左頬、先ず赤し、
心の熱病は、額、先ず赤し、
脾の熱病は、鼻、先ず赤し、
肺の熱病は、右頬、先ず赤し、
腎の熱病は、顎、先ず赤し。