転倒の要因には、高齢者側の要因と環境側の要因がある。これには高齢者側よりも環境側に原因があることが大きいと言われている。
高齢者側の要因
高齢者側の要因には、体力の低下や麻痺、パーキンソン病、視力・視野の低下、関節障害などがある。加齢に伴う機能衰退による反応が遅い、筋力の低下、バランス機能の低下、起居動作の能力低下、感覚機能の低下、歩行機能の低下などがある。
環境側の要因
環境側の要因としては、滑りやすい床、目の粗いじゅうたん、シワがある敷物、まくれ上がった敷物、床や道路のデコボコ、固定してない障害物、入り口、敷居、段、照明の不良などがある。
転倒予防のアドバイス
転倒の予防には高齢者側と環境側の両方の改善が必要である。特に、環境の整備、バリアフリーや手すりの設置などが重要です。
当院は歩行訓練や手すり設置のアドバイスも行っております。患者様には、「廊下や階段が狭くなるから手すりなんかいらない」、「手すりがなくても転んだりしない」、「お金がかかるからいらない」など手すり設置を拒否する方が多いです。
しかし、その後、手すりの設置をして、「手すりがあったほうが楽だ」、「はやく手すりをつければよかった」など多くの声を頂きました。特に、「お金がかかるから」は本当にお金がかかるのでしょうか?転倒骨折で入院したほうがお金がかかるのではないでしょうか。転倒を予防するための手すり設置ですので、これで転倒が防げたら安いと思いませんか?
手すりの設置は介護保険を活用しよう
また、手すりの設置には介護保険を利用した、住宅改修制度があります。自己負担10%(限度額20万円)で手すりの設置が可能になります。自宅で転倒予防のために手すりを設定する方は介護保険を使った住宅改修制度のご利用を推奨いたします。
転倒の先には骨折からの寝たきり
骨折には骨粗鬆症による骨に起こりやすく、転倒によることが多いので、転倒の予防が大切です。骨折の好発部位は、脊椎椎体、大腿骨頚部、脛骨遠位端、上腕骨近位端、肋骨、鎖骨などである。また、大腿骨頸部骨折は骨の融合が悪いため治癒しにくく寝たきりになる危険が大きので注意しましょう。