皮膚とは
皮膚は身体内部の保護と体温調整、呼吸、汗腺からの排泄を行っていると同時に触覚、圧覚、痛覚、温覚、冷覚を感じる感覚器としても働いている。
やけど(熱傷)などで対表面積の1/3を超える皮膚が失われると、生命の危険があると言われている。皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層に分けられる。
表皮とは
表皮は、皮膚の最表層を覆う。表皮の厚さは体の部位に変わる。(0.05~0.2mm)手や足底は0.1mmにも達する。
表皮の細胞は、最下層のある細胞の分裂増殖により、表面に押し上げられて最表層より剥げ落ちていく。表皮の深層に位置する細胞には多量のメラニン色素が含まれるが、そのメラニンの量により肌の色に違いが現れる。
海水浴などで紫外線を受けて2~3日後に肌が黒くなるのは、メラニン増加によるためである。
真皮とは
真皮は表皮の下にある密に詰まった強靭な層で、血管と神経があり厚さは1~2mm、手や足底では3mm以上になる。
真皮の表層では、表皮の下面に向かって乳頭という数多くの小さな突起が突出し、真皮と表皮の境界は複雑な凹凸を示す。この乳頭の中にも毛細血管が入り血管網を作って表皮を養う。
皮下組織とは
皮下組織は真皮の下にあり、皮膚を深部の組織と結合する層である。柔らかく目の粗い結合組織でできており、皮膚が下層の骨や筋などから遊離し自由に働きうるのはそのためである。
皮下組織には多量の脂肪細胞が集まり、皮下脂肪を作る。脂肪組織は栄養を貯蔵するとともに、体温の放散を防ぎ保温に役立つ。